2004年7月の怒り








もっと褒めようって思うんだけど
 2組の担任が聞いてきた。
「テマニス先生、ウチのクラス、褒めた?」


 褒めた褒めた。最初半端じゃなくスケッチ駄目だったのに、二度目ほとんど全員A評価だったから。A°もたくさん居たし。


「だからか〜、クラスの子達が絶対テマニス先生から話聞いてよって一生懸命言ってたから」


 なんかね、褒められると嬉しいらしいんですよ。みんな。
 前にも総合学習のコース内発表で褒めたら、感想に「テマニス先生に褒められたのが何よりも嬉しかった」と書かれてしまったことがある。


 私、そんなに褒めないかなあ。
 割りと褒めてるつもりなんだが。


 まあ、ホントに良くないと褒めないんだけどさ。中途半端なの褒めても仕方ないし。ほめたときの嬉しそうなのを見ると、教科でも生徒会でも部でももっと褒めようって思うんだけど。


 なかなか、そうそう褒めはしない。直接は。


 この子がこんなふうに良かったよ、って話を担任にはまめにする。でも直接褒めるのはやっぱり相当良くないと。


 そんなわけで、あんまり褒められない2組は嬉しかったらしいですよ。
2004年7月12日



お帰り!
 後悔がある。


 一昨年3年の担任をして、納得できる生徒指導をできなかった相手が2人。


 一人は、能力はあるけど勉強しないタイプ。
 野球に熱心な高校の普通科を希望していて、一回だけ合格圏内の点数を取った。
 一度も取れなければ諦めも付いたと思うんだが。
 納得はして受験したが、やはり残る。
 進学先で事件を起こした。


 もう一人は、調理師を希望していた。借りにAとしよう。
 ただ沖縄で調理師免許を取れるコースがある高校は、この地域からちょっと遠い。
 学力的にも結構チャレンジング。
 中学校すら毎日私のモーニングコールで起こされる状態で登校していて、遅刻もむちゃくちゃ多い。多分受からない。受かったとしても通いきれないだろう。
 近くの学校を勧めて、本人も納得して受験し、ちゃんと目指して合格して大喜びしていて。
 でも進学先で事件を起こした。退学。


 近所の居酒屋で働いていると聞いていたけれど、行けなかった。
 Aの起こした事件と、私の後悔と、様々なことがないまぜになって行けなかった。
 もしも、という仮定は無意味なのだけれど、もしあの時無理だと解っていても第1希望の学校を受験させていたら何か違ったんじゃないだろうか。
 沖縄では公立1校しか受験しないのが普通なので、不合格は中学浪人を意味する。冒険させる度胸がなかったのは私だ。そういう、後悔。


 今日、視聴覚室の戸締まりをしていたら音楽室前から声がする。


「せぇんせぇい!」


 独特のイントネーション。大きな体。Aだ。


 ずっと気にしていて、どうしているのか、ちゃんとやっていけているのか、事件があって同窓生の輪からも外れて様子もわからず。


 嬉しかったのと、あったら絶対殴ってやろうと決めていたので取りあえず殴った。
 握手した手が薄くなっていた。今の仕事を始めて痩せたという。


 やっと戻ってこれたんだと思った。


 お帰り。
2004年7月8日



大人になって思うこと

 Tが言う。
「18なんておじさんだよね」


 私が答える。
「15は間違いなく子供だよ」


 自分が18だった頃を思い出せば、たしかに18歳の私も子供だった。


 大人になったらどう、と言う考え方はしなかった。
 大人に頼れる範囲は小さいと小2で思って、それきりだ。
 それでも今、大人になって、やっと、ああ子供だったんだと思うようになった。


 大人になったら顔を上手に洗えるようになると思っていたけどそうでもない。手が小さいのは変わらなかった。


 大人になったら寝癖がつかなくなると思っていたが、あれは大人だから直して出かけられるようになっただけだと解った。


 大人になっても自分の感情をコントロールできるようにはならないと知っていたけれど、まさかここまで出来ないとは自分でも驚く。


 様々なことに平気な顔をして、技術が付いてハードルも楽にクリアして、口は上手いわ知識は豊富だわ、大人になるってそういうことかと思っていたけどそうじゃないんだな。


 いずれ死ぬのだということを体感できて、それで大人なのだと今は思う。


 だから感情を暴走させずに、長く楽しむなんて小技も効くようになるんだな。
 いいじゃん、大人。



 感情のベクトルは変えられないけどね。
2004年7月7日



進歩の跡が見えるのがいい

 ワタシはスケッチ指導が割りと上手い。
 理科指導で一番自信があるのはスケッチ指導じゃないかと思う。


 1度目に描かせたスケッチと、2度目にきっちり指導入れて描かせたのでは雲泥の差。
 それも「こう描くといいよ」てな誘導は全くしない。


 今日やっと春に描かせたスケッチの点数の記帳をして、これは楽しいなあと思った。


 点数が無いような子でも本当にきちんと観察して描けるようになってる。
 クラス全員がA評価になってるクラスもある。


 担任に見せたら大喜びだった。


 理科の基本が観察で、観察の基本がスケッチだから、その技術で生徒達に自信をつけさせたい。時間さえあれば本人が納得できるスケッチを絶対仕上げさせることが出来る。自分の書いたスケッチにほれぼれと見惚れるという体験を、させたいじゃないか。あくまで美術とは違うから出来ることではあるんだが。理科のスケッチはよく見て描くだけだからね。それが基本。


 教える仕事だから、進歩の跡が見えるのがいい。
 それが私たちのモチベーションにつながる。


 砂漠に砂を撒くような仕事は、やっぱりむなしいからね。


 今のワタシの課題は、唾液の実験がうまくいかないこと。なんでかねえ。温度管理が甘いのかしら。毎年4割ぐらいの班が失敗しちゃうんだけど。
2004年7月6日



一日に一回ぐらいは

 きれいなものを見たいなあって思う最近。


 きれいな生き物とかはそれなりに見るけど、そういうんじゃなくて、結晶とか絵とかデザインとかそういうきれいなもんが見たいと思う。


 あと木漏れ日とか青い空とか月とか。


 熱帯の木陰で風を楽しむ時間が一番好きなんだ。
2004年7月2日



 いきなり客が来たのでドライブ行ってきます。




■ Top Log 



アクセス解析 SEO/SEO対策